はじめに
SAPでは、会社組織をシステム上で表現するために、多くの組織マスタを持ち、それぞれのマスタは複雑に絡み合っています。
そのため、各組織マスタどのような関係性があるのかを理解することが重要と言われています。
しかし、初学者〜ジュニアコンサルのレベルであれば、まずは会社コードという組織マスタについて理解し、設定できるようになっておけば、問題ありません。
本章では、FIを学習するにあたって基礎中の基礎となる、会社コードについて学習していきましょう。
本章のゴール
会社コードについて理解し、カスタマイズができるようになること
学習編
会社コードとは
会社コードとは、財務諸表を作成する組織(≒企業)の単位を指します。
例えば、複数の関連会社(子会社)を持つ親会社に対して、SAPを導入するとします。このような企業では、各子会社ごとに財務諸表を作成することになります。
この場合、SAPでは、ひとつの子会社に対してひとつ会社コードを作成し、それぞれの会社コードに対して、他のカスタマイズを割り当てていく必要があります。
会社コードの重要性
業務上の取引情報は、すべて伝票として記録されますが、伝票を起票する際、どの会社コードに対して伝票を作成するか(どの会社に関する取引か)を指定する必要があります。
これは、FIで起票される会計伝票に限った話ではなく、SD(販売管理)で起票される受注伝票や、MM(購買管理)で起票される発注伝票なども含まれます。
そのため、会社コードはすべてのモジュールにとって非常に重要な組織マスタであるといえるでしょう。
実践編
それでは、実際にSAPで会社コードのカスタマイズを実践していきましょう。
会社コード作成
まず、コマンドフィールドに、T-code:SPROを入力します。
「SAP完全版IMG」を選択します。
以下のパスをたどり、メニューを選択します。
企業構造 -> 定義 -> 財務会計 -> 編集/コピー/削除/チェック:会社コード
「会社コードデータ編集」を選択します。
ここでゼロベースから新規作成する場合は、新規エントリを選択しますが、今回はSAPが標準で用意している日本用会社コードをコピーして使用します。
会社コード「JP01」を選択した状態で、別名コピー(F6)をクリックします。
次の画面で、会社コード情報の編集を行います。以下の情報を入力します。
- 会社コード:ZZ01
- 会社名:任意
- 市区町村:任意
- 国:JP
- 通貨:JPY
- 言語:JA
入力が完了したら、Enterを押下します。
アドレス編集画面に遷移したら、以下の情報を入力します。
- 名称:任意の名称
- 国:JP
- 上記以外:任意の内容を入力(空欄でも可)
入力が完了したらEnterボタンを押下します。
すべて入力が完了したら、保存(Ctrl + S)ボタンを押下します。
どの移送番号に紐付けるかどうかを確認されます。任意の移送を作成(選択)します。
移送番号の作成方法がわからない場合は、こちらの章を参考にしてください。
これで、会社コードZZ01を作成することができました。本章のトレーニングはこれで完了です。
チェックリスト
会社コードを作成することができた
会社コード